祖父の日

お盆の終わりとともに
祖父がいってしまわれた。

きっとさみしくなかったのではないかと思う。

3週間前にTと会いに行けて
覚えていてくれた。
「君、はじめてじゃないね」と言って
握手をしてくれた。
わたしとの対面は、会わない期間の前の幼児の頃を、
現在のわたしを通して見ていたようだった。
孫に似ている成人女性に会えたことに安心を
感じてもらったみたいだ。
彼のまわりをてけてけときゃっきゃと、
よちよち遊びまわっていた孫のイメージに。
一番楽しく充実していた頃のイメージに。
祖父の心にそれらが浮かび上がったのを
わたしも感じられた。

去年の今頃歩けていた祖父の筋肉は
一年でなくなってしまった。
だけど、もう、横になってもいいやと、そんなことを言っていた。
疲れたから休んじゃうと話していた。
もう充分生きたから休んじゃう。
そういう心境を、酌んでいいのだと。
また酌むよりほかにないのだと。

多分、彼が選んで、選ぶしかなくて、
もう休んじゃおうと、やっと、
自ら進んで無理を止めたんだろうと思う。
そして多くの家族やスタッフとの優しい関りに
安心したのが、今年だったんだろうと思う。
安心して
充実してたいい時代を胸に
生きることを許せた日だったのではないだろうか。あの日は。

学びと現状へ身を投じるいさぎよさを
残してくれた祖父だった。
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by nemo_yuka | 2010-08-18 11:24