忍ぶ川

病気になってしまった新年度。
突然熱が出て寝込んでしまった。

体がおふとんに張り付いたような時間
台所からがちゃがちゃ音が聴こえてくるのが
子供の頃の実家を思い出して、幸福だった。
それを話したら
「ここが実家だよ」と。

ここが、あたしのうち。

「忍ぶ川」を映画で観た。
大好きな「あたしのうち!」という台詞。
栃木での出来事、大事な人との最期の対面、
小さな宴、
そして生まれの宿命、新しい家族を得た2人の歩み出しは
まるで自分たちのことのようだねと言い合った。
出演者はあまりにも美しすぎたけど。
小説そのままの、いや想像以上の美しい映像だった。

あの実家のようすも大好き。

寝込んでるときに
「〜しないと後悔するよ」という言葉を突然思い出した。
ああ、こういう投げかけも相手の持ち物でしかなく
わたしはもう、できなくても後悔しないのがわかったし
今も繋がっているのを感じるだけなのだった。
自分の胸に投じられる石、広がる波紋。
そういったものと、満ちている深い水を思った。

さまざまなものを受け入れても、幸せに生きていける。
当然、誰だって生きていていいのだ。
忍ぶ川のように。
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by nemo_yuka | 2012-04-02 22:08